株式投資の学校 ファイナンシャルアカデミー

【定性分析】長期的に株価が上がり続ける会社を見抜く6つのチェックポイント

投稿日:

定性分析チェックポイント

一般的に、株式投資で短期的利益を狙うなら定量分析(テクニカル分析/チャート分析)を重視し、長期的利益を狙うなら定性分析ファンダメンタルズ分析)を重視するのが良いといわれています。

なぜなら、定量分析が会社の売上や利益など、数字で現れる現在の業績の良し悪しを判断するのに対して、定性分析は商品の良さや参入障壁といった「独自の強み」、要するに「ビジネスの質」を判断するものだからです。

ですので、5年、10年とそのビジネスが存続し、利益を上げ続けられるかどうかの判断は、定量分析より定性分析の方が良いとされています。

 

しかし、定性分析は難しいです。

 

数字ではっきり見えないモノゴトを分析するわけですから、当然です。

ただ、以下の6項目をチェックすれば、その会社が『独自の強み』を持っているかどうかがわかります。

商品力

独自の製品・独自のサービス

あなたが投資しようとしている会社は、独自の製品・サービスを持っているでしょうか?

もし、その製品・サービスが魅力的であり、かつオリジナルなものであれば、高価格でも売れます。ですので、他社よりも利益率が高くなります

オリジナルな商品がヒットすれば、利益率の高い商品が大量に売れるわけですから、業績が拡大し、株価も上昇する可能性があります。

ですので、会社が独自の製品・サービスを持っているかどうかは重要なチェックポイントです。

 

ただ、独自の製品もいずれライバルに真似されます。

ヒット商品も勢いも、それが一時的なブームなのであれば、いつか終わってしまいます。

 

ですので、独自の製品・サービスはどれくらい「真似しづらい」のか?また、どれくらい長期間に渡って売れ続けるのか?もチェックしましょう。

独自の技術・ノウハウ・仕入れルート

製品・サービスの真似しづらさは、その製品・サービスを作るための技術・ノウハウ・仕入れルートを調べればわかります。

たとえば、電気製品はいくら最新技術を使ったものであっても、真似されやすいといえます。なぜなら、他社に分解されて中身がバレてしまうからです。

一方、マクドナルドの接客マニュアルのような、長年積み重ねられてきなアナログ的な技術・ノウハウは真似されにくいです。

また、コカコーラのレシピやケンタッキーフライドチキンの製法など、技術・ノウハウをブラックボックス化してしまったものも真似されにくいです。

たとえば、オイシックスのように通販用の野菜を仕入れる農家と強い絆があるといった独自の仕入れルートを持っている会社も、他社に真似されにくい製品・サービスを扱っていると言えます。

特許

もし、真似されやすい製品・サービスを扱っているとしても、特許を取っていれば真似されにくくなります。

たとえば、製薬メーカーは特許を取ることで商品の優位性を保っています。

特許をとってしまえば、他社は真似したくてもできないので、有効な戦略です。

ただ、特許は20年で失効してしまいます。

ですので、特許が強みの会社を分析する際は、特許を複数持っているか?また、特許を次々と生み出す仕組みが構築できているか?といった点もチェックするようにしましょう。

参入障壁

規制・行政の認可

たとえば、金融業・廃棄物処理場・医薬品販売といった業種の会社は、行政の許認可がなければ運営できません。

こういった規制のある業界は参入障壁が高いので、新規参入者が少なく、競争が起こりづらいです。それゆえ価格維持力が高いと考えられます。

こういう「規制」「認可」といった既得権を持っているかどうかも、会社の強みを分析する上で重要なポイントです。

逆に言うと、規制撤廃で新規参入者が現れてくると、こういった業界の既得権は失われてしまうので要注意です。

実際、通信業界や証券業界、また保育園運営などでは、規制撤廃によって業界のパワーバランスは崩れました。

乗り換えコストの高さ

乗り換えコストというのは、今使っている商品・サービスを他社のものに買えるときの面倒さのことです。

この「面倒さ」とは、お金がかかることももすですし、時間がかかるといったことも意味します。

たとえば、あなたがいま住信SBIネット銀行を使っているとしましょう。もし、楽天銀行が住信SBIネット銀行より少し手数料を下げたら乗替えますか?

クレジットカードやスマートフォンの引き落とし、電気代や水道代の引き落とし、すべて住信SBIネット銀行から楽天銀行に変更しなければなりませんよ?

おそらく、少し手数料が低いからといって変える気にはなれない人が多いと思います。これが「乗り換えコスト」です。

銀行だけでなく、生命保険(加入年月によって保険料が下がる)や医療機器(生命に関わるので頻繁に変えづらい)なども乗り換えコストが高いです。

乗り換えコストが高いと、利益率を高く保てますし、収益が安定するといったメリットもあります。

ネットワーク効果

ネットワーク効果とは、「ユーザーの多さ」それ自体が価値を高めるという効果のことです。

たとえばフェイスブックは、典型的なネットワーク効果を利用したサービスです。「みんなが使ってるから、私も使うという」という感覚で使っている方が多いと思います。

ファイスブックのみならず、Twitterやinstagramなどもネットワーク効果を上手く利用しています。

ソフトウェアでネットワーク効果を上手く利用しているのは、マイクロソフトのワエクセルですね。

ほとんどの会社がエクセルを使っているので、データ共通化のためにどの会社もエクセルを使うことになります。

いくらエクセルより使いやすい製品を作ったとしても無駄です。データの整合性のために、使いづらくてもネットワーク効果を獲得したものが使われ続けます

地域独占

地域独占とは、特定の地域の特定の事業で一社が独占的な地位を築き、他社の参入を阻んでいる状態のことです。

たとえば鉄道事業は地域独占しています。同じようなところに新規参入者が2つ目の駅を作っても、客を奪い合うだけで、新規参入者にも既存業者にもメリットがありません。

ですので、先に鉄道を引いた会社が地域独占状態を維持し続けることになります。すでに客数は決まっていて、成長性がないので新規参入する意味がありません

無理やり参入したところで、参入コストの分だけ新規参入者が不利です。

ニッチトップ

特定の地域ではなく、特定の業界を独占しているニッチトップの会社も独自の強みを持っているといえます。

ニッチ分野で高シェアを維持している会社には、ニッチでマニアックな技術が蓄積されていくので、年々他社が新規参入しにくくなる傾向があります。

また、大企業はニッチ分野に資本投下したところでコスパが合わないので、そもそも参入しないという判断をしがちです。

もし、そのニッチな業界の技術が必要になったとしても、ニッチトップの会社に外注する選択をするはずです。

ですので、結果的にニッチトップの会社の独占状態が続くことになります。

もちろん、いくらニッチ分野であっても真似されやすい商品を扱っている場合は、新規参入者が現れてくるので、価格競争に巻き込まれてしまいます

ニッチトップの会社を分析する場合は、その会社の商品やサービスが真似されにくいものなのかどうかも合わせてチェックするようにしましょう。

コスト競争力

規模の優位性

低コストで商品・サービスを提供できるコスト競争力のある会社は、他社との価格競争で勝つことができます。

たとえ価格競争の結果、利益率が低い商品を売ることになったとしても、他社ではなく自社の商品・サービスが売れるので、結果として収益を伸ばすことに繋がります。

ではどうすれば、コスト競争力を高めることが出来るのか?

それには「機械化」と「工夫の積み重ね」といったことが上げられますが…この2つは比較的簡単に真似されてしまいます。

 

しかし、「規模の優位性」は真似しづらいです。

 

なぜなら、規模の優位性を築いた企業は、ますます規模の優位性を広げていく戦略を取るので、新規参入者が規模の優位性で有利になることはまずないからです。

規模が大きいと…

 

  • 広告活動費にお金をつぎ込んでブランド力を高められる
  • 研究開発費にお金をかけて、商品のクオリティを高められる
  • 大量仕入れでコストダウンできる

 

といったメリットがあります。

たとえばユニクロやAmazonは、上記の規模の優位性を生かしてビジネスをしている企業です。

例えば、楽天がいくら倉庫や配送網を増やしたとしても、Amazonに勝つのは難しいのはすぐわかると思います。Amazonも規模を広げ続けていますからね。差は埋まりません。

また、無印良品がいくら店舗を増やしても、ユニクロにかなわないのもわかると思います。

楽天がAmazonに、無印良品がユニクロに勝とうとするなら、規模の優位性で勝負しない戦略を取るはずです。

結果として、規模の優位性を持ってる企業は、その優位性を維持し続けるというわけです。

独自の資産

原油や鉄鉱石といった天然資源を商品としている会社の場合、資源の価格は市場で決められてしまいます。

ですので、どれだけ埋蔵量が多く、低コストで発掘できる鉱脈を持っているかでコスト競争力が決まります。

もし、低コストで発掘できる良質な鉱脈を持っているのであれば、その会社のコスト競争力は高いと言えます。

さらに発掘している資源の需要が高く、生産量が増やしづらいものであれば、なお良いです。

販売力・マーケティング力

販売力・マーケティング力とは、押し売り力のことではありません。

販売力とは、どれだけ良い商品・サービスをスムーズにお客様に伝えられるか?お客様のニーズを汲み取って商品・サービスに反映させられるか?ということです。

この2つが実現できれば、持続的に商品が売れ続けます。

具体的には…

 

  • ファンが多い
  • 販売網・店舗網が充実している
  • ブランド力がある
  • 宣伝広告ノウハウがある

 

といった点がある会社は販売力が高いといえます。

特にブランド力は重要です。ブランドのある会社の製品は、プレミア価格を支払ってでも買ってもらえます。また、お客の忠誠心も高いので収益が安定します。

企業文化・経営の仕組み

たとえば、カリスマ経営者のいる会社は、それだけで人気があります。

たとえば、ソフトバンク(孫正義CEO)やテスラ(イーロン・マスクCEO)はその典型例です。

しかし、こういった会社はカリスマ経営者が去ると一気に人気が下がってしまいます

経営者リスク」を背負っているので、いくら人気があっても安心して長期投資できません。

ですので、定性分析する際には、カリスマ経営者の有無にかかわらず、その企業には持続的に好業績を上げ続けられる経営資源があるのか?優秀な経営者を生み出し続ける仕組みがあるのか?といった「企業文化」に注目することが重要です。

良い企業文化を持っている会社には優秀な人材が集まってくるので、もしカリスマ経営者がいなくなったとしても、優れた経営者があとを引き継ぎます。

経営陣

株主にとっての経営陣の優秀さとは、結局 会社の業績を上げられるかどうかです。

ですので、経営陣の人柄が良いからと言って、その経営陣が優秀だとは言えません

 

では、何をもって経営陣が優秀だと判断すればいいのか…

 

これはなかなか難しい問題ですが、ジム・コリンズ氏の著作「ビジョナリー・カンパニー」で紹介されている経営陣の良し悪しを判断する6つのポイントが参考になるかと思います。

 

  1. 経営計画に合理性がある
    (成長ストーリーに合理性がある。上場をゴールとせず、必要以上に成長イメージを語らない。ライバルを寄せ付けずに成長していける根拠がある)
  2. 社会に役立ちたいという情熱と、それを収益に昇華させる執念がある
    (「儲かるからやる」ではなく「社会に必要だからやる」という情熱がある。たとえ誰もやりたがらないことでも、社会に必要なことを自社の強みを生かして収益化させる力がある。または実績がある)
  3. 地道さと驚異的な粘り強さがある
    (泥臭い努力を積み重ねる粘り強さがある。経営センスの良さや、魅力的なビジョンだけでなく、粘り強く試行錯誤を続けている)
  4. 失敗を環境のせいにせず、成功を環境のおかげと捉える姿勢がある
    (好業績のときでも冷静に現状分析し、業績が悪いときでも課題を克服する努力をする。業績の良し悪しを環境や運のせいにしない。常に謙虚に人の話に耳を傾ける)
  5. 規律なき拡大戦略は避け、規律ある一貫した成長戦略をとっている
    (持続的に成長している会社は、20%ぐらいの範囲で成長率を一定に保っている。一時期50%で、その後低迷するといったブレがなく、適正な成長率を維持している)
  6. 常に最悪の事態に備え、最悪の状況をチャンスに変える姿勢がある
    (最悪の事態を考えない経営者は、景気が良いときに過大なリスクをとり、致命的なミスを犯してしまう。常に最悪の事態に備えている企業は、金融危機が起こっても倒産せず、逆に危機をチャンスに出来る)

 

以上のような特徴をもつ経営陣であれば、その経営陣は優秀だと判断できます。

ただ、「ビジョナリー・カンパニー」でとりあげられた会社なのにもかかわらず、今では廃れてしまっている会社もあります。

ですので、上記の特徴をもつ経営陣のいる会社なら投資してOKかというと…それはまた別の話です。

 

投資に『絶対』はありませんので。

 

しかし、チェックしないよりはマシです。そもそもダメ経営陣のいる会社に投資してしまうというリスクは避けられます。

まとめ

かなり長くなってしまったので簡潔にまとめます。

会社の定性分析で重要なチェックポイントは、以下の6つです。

 

  1. 商品力
  2. 参入障壁
  3. コスト競争力
  4. 販売力・マーケティング力
  5. 企業文化・経営の仕組み
  6. 経営陣

 

定性分析する際は…

 

この会社に商品力はあるか?それは何か?

この会社に参入障壁はあるか?それは何か?

この会社に…

 

と、6項目ひとつひとつチェックしていけばいいでしょう。

例えば投資したい会社が複数あって、どれに決めていいかわからないときに、上記の6つのチェックポイントでふるいわけするといった活用方法が考えられます。

参考リンク

株式投資スクールまとめ
ファイナンシャルアカデミー「株式投資スクール」の内容まとめ

お金に関するオンラインスクール「ファイナンシャルアカデミー」の『株式投資スクール』講座内容まとめです。 ⇒ 全てのWEB受講を見て、テキストを読んで、私が重要だと思ったことをまとめました。 株式投資に ...

-株式投資の学校, ファイナンシャルアカデミー

Copyright© シンプル資産運用術 , 2019 All Rights Reserved.