ETF(Exchange Trade Fundの略)は、株式や債券等を1つにまとめたパッケージ商品です。投資信託と同じですね。
ただ、ETFと投資信託は少し違います。
「ETF=株式市場に上場された投資信託」です。投資信託は上場されていません。
ETFは市場に上場されている分、投資信託より便利な点がいくつかあります。
ETFと投資信託の主要な違いをまとめましたので、投資信託に加えてETFにも投資しようと考えている方は参考にしてみてください。
ETFは上場しているファンド。投資信託は非上場のファンド
ETFは株式市場に上場されたインデックス投資信託です。
ですので、株式と同じように売買できます。価格も市場での売買によってリアルタイムに変化します。また、株式と同じように信用取引(3倍レバレッジ)もできます。
一方、投資信託は上場していません。
ですので、基準価額はリアルタイムに変化しません。誰がどれだけ買おうと、一日中同じ価格です。
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ETFは投資信託より低コスト
投資信託は証券会社や銀行などの販売会社を通して売買されます。ですので、販売会社に手数料を支払う必要があります。
一方、ETFは上場されているので、証券口座さえ作れば誰でも自由に売買できます。販売会社を通して購入する必要はありません。
ですので、ETFは販売会社に手数料を支払う必要がありません。その分、投資信託より手数料が安くなります。
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また、ほとんどのETFはベンチマーク指数と連動するように設計されたインデックスファンドですので、ファンドの運用手数料が少なくて済みます。
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ETFには販売会社が介在せず、しかも運用手数料が安いので、投資信託より低コストで売買できます。
PTS利用可能
ETFは株式と同じように、PTS(私設取引システム)を利用することができます。
PTSとは、市場が終わったあとでも売買できる仕組みです。
通常であれば、市場がオープンする午前9時から午後3時までしか売買できませんが、PTSを利用すれば午後11時59分まで売買することができます。(※楽天証券の場合、午後7時〜午後11時59分まで取引可能)
投資信託はPTSを利用できません。また、上場していないのでリアルタイムに売買することもできません。
ETFと投資信託の違い一覧表
ETF | 投資信託 | |
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上場 非上場 | 上場している | 上場していない |
コスト | ・売買手数料がかかる (一部手数料無料で買える) ・信託報酬が安い | ・手数料無料で買えるものが多い ・信託報酬が高い |
売買 | ・市場が開いている時間は自由に売買可能 ・取引価格がリアルタイムに変わる ・信用取引可能 ・PTS取引可能 | ・決められた値段でしか変えない ・基準価額は一日中変わらない ・信用取引できない ・PTS取引できない |
分配金の再投資 | 再投資不可 | 自動的に再投資可能 |
まとめ
ETFは投資信託の進化版。
株式と同じように売買できる投資信託。と理解しておけば問題ありません。
上図の用に、ETFの詳しい仕組みを知る必要はありません。
これは、"ETFを作る人"が知っておく知識であり、"ETFを売買する人(投資家)"が必ずしも知っておく必要はないからです。
車を作る知識と車を運転する知識が別々なのと同じです。
もちろん、車を作る人も、ある程度は車をどうやって運転するのか知っておくほうがいいでしょう。
車を運転する人も、ある程度はどんなふうに車が作られているのか知っておくほうがいいでしょう。
しかし、「車を作る知識」も「車を運転する知識」も別物です。
同様に、「ETFを作る知識」も「ETFを売買する知識」も別物です。
ETFに投資したいのであれば、ETFを作るために必要な知識ではなく、ETFを売買するのに必要な知識を学ぶことに集中しましょう。
投資のプロでもない限り、「ETF=上場されたインデックス投資信託」という認識で何の問題ありません。
もし、将来ファンドマネージャーとして証券会社で働きたいというような人は、ETFを作る仕組みを知っておいたほうがいいです。
しかし、個人投資家としてETFに投資して稼ぎたいのであれば、必要なのは「ETFを売買するのに必要な知識」だけです。
▽ETFの基礎知識まとめ(もくじ) ETFの基礎知識をまとめました。 ETFとは、投資信託が株式市場に上場されたものです。ですので、ETFは投資信託でありながら株式投資のようにリアルタイムで売買できますし、レバレッジをかけた信用取引も可 ...
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