これから投資を始める方、もしくは投資を初めて間もない方は、どういう株にどんな割合で投資すればいいかわからないと思います。
そういう方のために、ポートフォリオ(資産配分)の作り方についての記事を書きました。
しかし、上記の記事では、ポートフォリオについては解説しましたが、具体的にどの銘柄に投資すればいいのかについては解説していません。
ですので、本記事で「具体的にどの銘柄に投資すればいいのか?」について解説したいと思います。
具体的にどの銘柄に投資すれば良いのかがわかれば、迷うことなく資産運用を始められますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
ただ、あくまでも私の個人的なおすすめ銘柄であり、最終的にどの銘柄に投資するかはあなた次第ですので、その辺はご了承を。
あえて強調するまでもないですが、「投資は自己責任」ですので。(厳しいけど、投資ってそういう世界ですからね…)
では早速、具体的にどの銘柄に投資してポートフォリオを作ればよいのかを解説していきます。
目次
個別株・ETF・投資信託…どれに投資すれば?
「初心者におすすめのポートフォリオ」の記事で紹介しているポートフォリオは、日経平均やS&P500などの市場平均に連動するインデックス銘柄(ETFもしくは投資信託)に投資することを前提としています。
個別株投資のポートフォリオではありません!
まぁ、そもそも投資初心者がいきなり個別株投資に挑戦するのは無謀すぎます。
それに、個別株投資で疲弊した投資家がインデックス投資に路線変更する場合もあります。
ですので、低リスクで安全に資産運用したいのであれば、まずはETFか投資信託から始めるのがおすすめです。
問題は、ETFか投資信託のどちらに投資すればよいのか?です。
ETFとは上場投資信託のことで、投資信託を株式と同じように株式市場で売買できるように設計された金融商品です。
投資信託は非上場なので、株式市場で売買することはできません。販売会社から購入し、資産運用会社が投資家から預かったお金を運用することになります。
上場↔非上場で微妙な違いはあるものの、ほぼ同じようなものと考えて問題ありません。
ただ、ETFは直接株式市場から買えるので、販売会社が介在しません。
一方、投資信託は上場していないので、販売会社が投資家に売ることになります。ですので、ETFに比べて若干手数料が高いです。
一昔前までは、ETFと投資信託の手数料の差は非常に大きかったのですが、最近は投資ブームの影響で、手数料の差はほぼ無視できるほど少なくなっています。
ですので、ETFでも投資信託でも、どちらに投資してもOKです。
ただ、若干とはいえETFの方が手数料が安いので、手数料で運用資産が減るのが嫌な人はETFに投資する方がおすすめです。
本記事では、ETFに投資することを前提として話を進めていきます。
ETFの選び方
ETFには、良いETFと悪いETFがあります。
悪いETFとは、手数料が高く、運用総資産が少なく、運用歴が短いETFです。
- 手数料が高いと運用資産が目減りしてしまいます。
- 運用総資産が少ないと、途中でETFが上場廃止される危険性があります。(利益が出ていようがいまいが、強制的に換金されてしまう)
- 運用歴が短いと、長期的なパフォーマンスが判断できません。
ですので、できるだけ手数料が安く、運用総資産が大きく、運用歴が長いETFを選ぶようにしましょう。
結論を言ってしまうと、ヴァンガード社の販売しているETFを購入すればOKです。
バンガード社は会社の利益追求(会社の儲けを優先)ではなく、投資家の利益を追求する、珍しい投資会社です。
他の投資会社の販売しているETFよりも手数料が低いETFを扱っています。
また、年々手数料を引き下げるという特徴があります。
ですので、バンガードのETFを中心にポートフォリオを作れば、まず間違いありません。
では早速、バンガードのETFを中心に「初心者におすすめのポートフォリオ」の記事で紹介しているポートフォリオを作っていきましょう。
各国ごとのおすすめETF
- 米国株
- 先進国株(日米含む)
- 先進国株(日米除く)
- 新興国株
- 日本株
- 米国債券
「初心者におすすめのポートフォリオ」の記事で紹介しているポートフォリオを作るには、上記の株それぞれに対応したETFに投資する必要があります。
それぞれの株に対応したETFは以下のとおりです。
米国株
- VOO
- VTI
VOOはS&P500に連動するETFです。
記事執筆時点での手数料は0.03%で、運用総資産は約$492billion(約52兆円)です。
VTIはCRSP USトータル・マーケット・インデックス(米国株式市場の投資可能
銘柄のほぼ100%をカバー)に連動するETFです。
S&P500銘柄だけでなく、米国市場に上場しているすべての銘柄に幅広く投資します。
記事執筆時点での手数料は0.03%で、運用総資産は約$823billion(約88兆円)です。
⇒ バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)
先進国株(日米含む)
- VEA+VOO
- VEA+VTI
ヴァンガードが販売しているETFに、日米含む先進国全体に投資できるETFはありません。
ですので、ヴァンガードのETFで日米含む先進国全体に投資したい場合は、米国を除く先進国株ETFに加えて、追加でVOOかVTIに投資することで、日米含む先進国株への投資を実現することになります。
ヴァンガードが販売している米国を除くETFは、記事執筆時点で「VXUS」「VEU」「VEA」「VSS」の4つあります。
「VXUS」「VEU」「VEA」「VSS」のうち、先進国だけに投資するETFはVEAのみです。
VXUSとVEUとVSSは、先進国に加えて新興国にも投資するETFになります。
VEAはFTSE先進国オールキャップ(除く米国)インデックスに連動するETFです。カナダ、欧州地域の先進国市場、および太平洋地域の先進国市場に投資します。
VEAの記事執筆時点での手数料は0.05%で、運用総資産は約$112billion(12兆円)です。
⇒ バンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF(VEA)
先進国株(日米除く)
- VEA(VEAの日本株の保有割合を、ポートフォリオの日本株保有割合から差し引く)
ヴァンガードが販売しているETFに、日米除く先進国全体に投資できるETFはありません。
ですので、ヴァンガードのETFで日米除く先進国全体に投資したい場合は…
- 米国を除くETFのVEAに投資して、VEAが日本に投資している割合(記事執筆時点で約22%)を、ポートフォリオの日本株部分の割合から差し引く
- VEAの日本株部分は妥協して保有する
ことになります。
新興国株
- VWO
VWOは、FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)インデックスに連動するETFです。
世界の新興諸国の大型株・中型株・小型株に投資します。
VWOの記事執筆時点での手数料は0.12%で、運用総資産は約$86billion(約9兆円)です。
⇒ バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO)
日本株
日経平均連動
- iシェアーズ・コア 日経225 ETF(1329)※手数料優先
- ダイワ上場投信 日経225(1320)※運用総資産優先
iシェアーズ・コア 日経225 ETFは、ブラックロック社が販売している日経平均に連動するETFです。
記事執筆時点での手数料は0.105%で、運用総資産は約5595億円です。
ダイワ上場投信 日経225は、大和投資信託が販売している日経平均に連動するETFです。
記事執筆時点での手数料は0.16%で、運用総資産は約2兆5577億円です。
⇒ ダイワ上場投信−日経225 / 大和証券投資信託委託株式会社
TOPIX連動
- iシェアーズ TOPIX ETF(1475)※手数料優先
- MAXIS トピックス上場投信(1348)※運用総資産優先
iシェアーズ TOPIX ETFは、ブラックロック社が販売しているTOPIXに連動するETFです。
記事執筆時点での手数料は0.06%で、運用総資産は約2829億円です。
MAXIS トピックス上場投信は、三菱UFJ国際投信が販売しているTOPIXに連動するETFです。
記事執筆時点での手数料は0.08%で、運用総資産は約1兆2077億円です。
⇒ MAXIS トピックス上場投信 | 投資信託なら三菱UFJ国際投信
リターン補完
- VGT(または個別株)
リターン補完部分は、下記記事で紹介している通り、リターンを高めるためのスパイスとして少量保有する部分になります。
ですので、出来るだけリスクを抑えつつも、ハイリターンを狙える銘柄を保有するのがおすすめです。
たとえば、バンガード社が販売しているVGTは、米国の情報技術セクターの大型株、中型株、小型株に投資できるので、リターン補完部分に最適です。(MSCI USインベスタブル・マーケット・情報技術25/50インデックスに連動)
記事執筆時点でのVGTの手数料は0.1%で、運用総資産は約2兆4000億円です。
ちなみに、どうしても「個別株に投資したくなる」という誘惑を抑えるために、リターン補完部分だけ個別株を持つという方法もありです。
その場合は、自分の好きな個別株に投資すればOKです。
ただ、リターン補完部分の割合を超えて保有してしまうと、過度にリスクを取ってしまうことになりますのでご注意を。
米国債券
- BND
BNDは、ブルームバーグ・バークレイズ米国総合浮動調整インデックスに連動する債券ETFです。米国の投資適格債券市場全体へ幅広く投資します。
BNDの記事執筆時点で手数料は0.04%で、運用総資産は$232billion(約25兆円)です。
おわりに
本記事で紹介したETFや投資法は、あくまでも一例です。
必ずしも、ヴァンガード社のETFに限定して投資する必要はありません。
ヴァンガード社のETFに投資してもいいですし、しなくてもいいです。あなたの自由です。
ただ、ヴァンガード社は会社の利益追求ではなく、投資家の利益追求のために資産運用するという珍しい投資会社で、手数料もその他の投資会社と比較して安いというだけです。
探せばヴァンガード社のETFよりも安いETFはあるでしょうし、好みの地域に限定して投資できるETFもあるでしょう。
ただ、それを探すコスト、管理するコストが、ヴァンガード社のETFを買う場合と比較してどうか?ということは考えておいたほうが良いと思います。
ま、投資を初めていきなり完璧な銘柄に完璧な割合で投資し、それを死ぬまで運用するなんてことはまずありません。
大抵どこかの時点で、投資方針が変わって違う銘柄に買い直したり、ポートフォリオの割合を変更したりすることになります。
ですので、あまり深く考えず、とりあえず投資し始めてみるのが良いと思います。
なんでも経験です。恐れていると、いつまでたっても資産運用できませんので、不安な方は少額から始めてみることをおすすめします。
ちなみに、自分でバンガード社のETFを調べてみたいという方は、下記ページにバンガード社のETFがまとまっていますので参考にしてみて下さい。
⇒ バンガード・インベストメンツ・ジャパン - 商品案内 - バンガードETF
バンガード社以外のETFも調べてみたい方は、下記のページで検索することが出来ます。
手数料の低い順、運用総資産の多い順で検索できるので非常に便利です。