ETFには取引価格と理論価格という、2つの異なった価格があります。1つのETFに対して、値付け札が2つもついてるわけです。
「なんで?」
ってことですが、ETFが「上場された投資信託」ということを思い出すと、割と簡単に理解できます。
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ETFと投資信託の違いとは?
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ETFの取引価格と理論価格とは?
「ETF=上場した投資信託」です。
なので、ETFの価格は売買する人の需要と供給によって変わります。買いたい人が多く、売りたい人が少なければ、自然と価格は上がっていきます。
逆だと下がっていきます。この市場で取引されるETFの価格のことを取引価格といいます。
しかし、いくら取引価格が変わっても、ETFの本来の価値は変わらないですよね?
たとえば、日経225のETFがあったとします。このETFの基準価額(純資産総額÷総口数)が1万円であれば、いくら取引価格が変わっても、基準価額は変わりませんよね。この変わらないETF本来の価格のことを理論価格といいます。
もう少し日常的な話で例えると、「Nintendo Switch」の価格みたいなものです。
Nintendo Switchの定価は2万9980円(理論価格)ですが、需要が多いので4〜5万円(取引価格)で転売されています。本来の価値と、取引される価値が違うわけです。
この取引価格と理論価格の差(乖離率)は、投資家にとってメリットにもデメリットにもなります。
取引価格が理論価格より高いと「損」
ETFの取引価格が理論価格より高い状態のことを「プレミアム」といいます。
プレミアム状態のETFを買ってしまうと、本来の価値以上のお金を支払うことになりますので、損です。これは投資家にとってデメリットといえます。
取引価格が理論価格より低いと「お得」
ETFの取引価格が理論価格より低い状態のことを「ディスカウント」といいます。
ディスカウント状態のETFは、本来の価値以下の価格で買えますので、お得です。この場合は、投資家にとってメリットといえます。
ETFの乖離率が調べられるサイト
国内市場に上場されているETFの場合
ETFの乖離率は投資情報サイトで確認することができます。
国内市場に上場されているETFの乖離率を調べる場合は、モーニングスター(http://www.morningstar.co.jp/etf/)のサイトが便利です。
乖離率の欄でプラスになっているのがプレミアム状態のETFです。マイナスになっているのがディスカウント状態のETFです。
海外市場に上場されているETFの場合
海外市場に上場されているETFの乖離率を調べる場合は、ヤフーファイナンス(https://finance.yahoo.com/)が便利です。
調べたいETFのティッカーコード(VTIやVWOなど)を入力すると、取引価格と理論価格(NAV)が表示されます。各ETFの取引価格と理論価格がどれだけ乖離しているのかわかります。
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