投資信託は証券会社で口座開設すれば誰でも買うことができます。
ただ、証券会社は投資信託を運用していません。また、証券会社は、あなたが投資信託を買うために支払ったお金を預かっていません。
証券会社は投資信託を運用していない。しかも、お金を預かっているわけでもない…
であれば、一体あなたのお金はどこに預けられ、どのように運用されているのでしょうか?
実は、投資信託には「運用会社」「販売会社」「信託銀行」という3つの会社が関わっており、それぞれが投資信託の運用・販売・資金管理の役割を担っています。
投資信託に関わる3つの会社について
投資信託には「運用会社」「販売会社」「信託銀行」という3つの会社が関わっています。
◯◯投資信託や■■投資信託など、いろんな投資信託を作っているのが運用会社です。
運用会社が作った投資信託を投資家に販売してるのが販売会社です。証券会社はこの販売会社にあたります。
販売会社で投資信託を購入すると、投資家のお金は信託銀行に預けられます。
それぞれの会社の役割を詳しく見ていきましょう。
運用会社の役割
運用会社の役割は、投資信託を作ることと、その投資信託を運用することです。
ただ、運用会社は投資家のお金を直接運用しません。投資家のお金を預かっている信託銀行に「運用の指示を出すだけ」です。信託銀行がその指示に従って投資家の資金を運用します。
「運用会社と信託銀行を分けなくても、運用会社が直接お金を運用すれば効率いいのでは?」
と思われるかもしれませんが、それだとまずいんですね…。
実は過去にアメリカで運用会社が投資家のお金を使い込んでしまうという事件がありましたので。
ですので、投資信託に投資されたお金は、その運用を指示する運用会社と、お金を預かって指示通り売買する信託銀行に分けて管理するよう法律で決められました。(これを「分別管理」といいます)
仕組みとしては少々ややこしくなっていますが、投資家からすると、より安全に自分のお金が管理されるようになったわけです。
販売会社の役割
販売会社の役割は、運用会社で作られた投資信託を投資家に売ることです。
証券会社や銀行などが販売会社の役割を担っています。
また、保険会社も「保険+投資信託」のような商品を販売している場合がありますので、保険会社も販売会社の一つといえます。
信託銀行の役割
信託銀行の役割は、販売会社が投資家から受け取ったお金を預かることと、そのお金を運用会社の指示に従って運用することです。
運用会社・販売会社・信託銀行が倒産したらどうなるの?
万が一、「運用会社」「販売会社」「信託銀行」が倒産したらどうなるのでしょうか?
結論から言うと、3つの会社が全て倒産しても投資家のお金は守られます。
運用会社が倒産した場合、その運用会社が運用していた投資信託は、別の運用会社に引き継がれて運用されるか、運用会社が倒産した時の基準価額で現金化されて投資家に返還されます。
販売会社が倒産した場合、その販売会社で購入した投資信託は別の販売会社に移されて引き続き運用することが出来ます。
信託銀行が倒産した場合は、運用会社が倒産した場合と同じです。他の信託銀行に投資家のお金が引き継がれる場合と、信託銀行が倒産した時の基準価額で現金化されて返還される場合があります。
つまり、どの会社が倒産しても投資家のお金は守られるわけです。
銀行のように「1000万円までしか補償しない」ということはありません。
各会社が倒産しても、その倒産によって投資家のお金が損失を被ることはありません。
まとめ
- 投資信託には「運用会社」「販売会社」「信託銀行」が関わっている
- どの会社が倒産しても、投資家のお金は守られる
「投資信託とは?」の記事で書いたとおり、投資信託は1つ買うだけでリスク分散効果があります。
さらに、本記事で書いたとおり、投資信託に投資したお金は3つの会社で管理されています。
投資家のお金は2重でリスク分散されているわけです。
このように、投資信託はかなり安全な投資商品なので、特に投資初心者の方におすすめです。
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