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ピーター・ティール「5000万円→1700億円」の投資法とは?/【書評】ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望

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ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望』を読んだので、書評…といいますか、感想を書いておきたいと思います。

ピーター・ティールはインターネット決済サービス「PayPal」の創業者です。

最近ドナルド・トランプ大統領の補佐役としてTVに出演されていましたので、投資に興味が無い方でも、一度は彼の姿を見たことがあるかもしれません。

彼は、IT起業家としてだけでなく、ITベンチャー投資家としても一流で、Facebookに50万ドル(約5000万円)投資して17億ドル(約1700億円)稼いでいます

今のFacebookを見れば誰でも投資したくなるかもしれませんが、2004年のFacebookに投資したいかと問われれば…難しいですよね?でも、ピーター・ティールにはある程度成功が見えていたわけです。

 

なぜなら、彼はとんでもなく伸びる企業の特徴を知っていたので。

 

なので、Facebookの他にもパランティアやスペースX等の投資で成功しているわけです。

その「とんでもなく伸びる企業の特徴」のヒントが、『ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望』の中に書かれています。

いくつか重要だと思われる部分をまとめましたので、参考にしてみてください。

起業成功の方程式

そもそも、起業に方程式は存在しません

人選・アイデア・タイミングなどなど、様々な要因が重なって成功するわけです。

なので、「この通りにやれば成功できる」というような方程式はありません。変数が多すぎるんですね。

ただ、ティールは成功する起業には以下の2つのパターンがあるといっています。

  1. 思いがけない場所に価値を見出す
  2. 第一原理からビジネスを考える

例えば、「思いがけない場所に価値を見出す」の例としては、AirBnB(自宅を貸す)やUBER(自車で送迎する)が上げられます。

そんなのあり?ってところに価値を見出していますね。

「第一原理からビジネスを考える」ではスペースX(そもそも宇宙産業はコストかかりすぎ。再利用できるのに…)やTesla(そもそも、今あるノートPCのバッテリーで電気自動車は作れる)が上げられます。

要するに、当たり前だと思っていたことを疑い、新しい視点で徹底的に考え直したアイデアで起業している企業は、成功パターンの中に入るというわけですね。

投資するならそういう企業にすれば良いということかと。

なぜ市場を独占することが重要なのか?

ティールもバフェットと同じく、市場を独占することが大切だと言っています。

なぜそんなに「独占」が大事なのかというと「価格決定力を持てる」からですね。

価格決定力を持てるということは、利益率を高められるということです。

また、市場を独占しているわけですから、利益が安定しています。利益が安定していると、資金調達しやすいわけです。

資金調達して独占市場を拡げていけば、さらに利益率が高まり…という好循環が生まれます。

 

なので、独占は大事!

 

独占を目指すためには…

  • 競争から身を引く
  • 競合他社と明確に差別化できる
  • 長期的に競争に陥らない

ことが大切。

逆に言うと、競争している。もしくは、他社と明確に差別化できない。または、長期的に競争に陥る可能性がある企業は市場を独占できないわけです。

なので、そういった企業には投資しない。または、そういう兆候が見え始めたら株式を売却するのが良いのかもしれません。

市場を支配するために必要な4要素

市場を支配し、独占してしまう企業は…

  1. プロプライエタリ・テクノロジー
  2. ネットワーク効果
  3. 規模の経済
  4. ブランド

以上、4要素を持っています。

 

プロプライエタリテクノロジーとは、独自開発した専有テクノロジーです。

例えばアップルのiOSやGoogleのAndroidがそれにあたります。

 

ネットワーク効果とは、ユーザーが増えるごとに付加価値が高まる効果です。

Facebookはまさにこれですね。皆使ってるから、私も使う→さらにユーザー数が増えてプラットフォームの価値が高まるの繰り返しです。

 

規模の経済とは、生産量が増えるごとに、生産コストが下がり、利益が増える効果のことです。

アマゾンやウォルマートがこれにあたります。巨大なバイイングバワーがあるので、低コストで仕入れることができ、薄利多売でも利益が出るわけです。

 

ブランドとは、顧客がそのためなら多めに価格を支払っても良いと思える代替不可能なもののことです。

コカ・コーラやフェラーリはブランドの典型例ですね。例えば、飲料水といえば?スポーツカーと言えば?で思いつく名前は、ブランドがあるといえます。

そして、ブランドがあるということは、市場を独占しているということです。市場=企業名になってしまっているので。

 

以上、4要素を持っている企業は、市場を独占している。もしくは、これから市場を独占していく可能性があります。

なぜ「競争」は「負け犬がする」ことなのか?

さて、独占!独占!独占が大事!といいますが、そもそもなぜ独占が良いのでしょうか?

例えば、ドコモ・ソフトバンク・auが「競争」してくれる方が、価格が安くなってユーザーにはありがたいですよね。

でも…ユーザーにとってありがたいことは、企業にとってありがたいこととは限らないんですよね。

 

競争し始めると、企業本来の目的を忘れて、ライバルを打ち負かすことに夢中になってしまうんです。

 

その結果、ライバルに勝つためにライバルを模倣し、差別化が困難になり、価格のみで勝負するようになり、利益率が低くなり、企業にとっては旨味が減っていくわけです…。

なので、はじめから競争のないポジションで勝負することが非常に大切

だからこそ、ティールは「競争は負け犬がすること」といっているわけです。

競争している時点で、行き着く先は見えているってことです。

IT産業だけが成長し続ける理由

IT産業には「マイクロプロセッサの計算能力は24ヶ月ごとに2倍になる」というムーアの法則があります。

これ、超単純な理由なので誰も重要視していないのですが、言われてみれば「なるほど!」と思いますよね。

 

こんなチートな法則、他の産業にはないです。

ずーと追い風が吹いているレーンで走ってるようなものです。

 

そりゃ、IT取り入れない企業(オールドエコノミー企業)は突き放されるわけです。

賭けるならIT企業!それ以外には投資しない!という考え方もアリかもしれません。

PERの欠点

バリュー投資において重要視されるPERですが、ティールはPERの欠点を指摘しています。

 

低PERの株は過小評価されているのでお買い得といわれますが…

  • 成長率が低い場合
  • 売上高が減少している場合

にも、PERは低くなります。

 

逆に…

  • 成長率が高い場合

高PERになります。

 

要するに、PERは成長率を考慮していないので、それ単体では急激に成長するIT企業に投資する指標としては使えないわけです。

なので、ティールはPEGレシオを使うように勧めています。

PEGレシオとは、PERを利益成長率で割った値です。

PEGレシオが1倍以下だと、その企業は過小評価されていると判断できます。逆に1倍以上だと過大評価されていると言えます。

ティールはPEGレシオが1倍以下の企業に注目するようにと言っていますので、IT企業に投資する際はPEGレシオが1倍以下かどうか確認してみましょう。

まとめ

  • 「思いがけない場所に価値を見出している」「第一原理からビジネスを考えている」企業は成功する可能性がある
  • 市場を独占している企業、独占する可能性がある企業に投資する
  • 競争している企業には投資しない。または、競争し始めた企業の株は売却を考える
  • IT産業にはムーアの法則という追い風吹いている
  • IT企業に投資する際は、PERよりPEGレシオを使う。PEGレシオ1倍以下が狙い目

ピーター・ティールに興味があっただけで、投資の勉強として買った本ではないのですが、偶然にも投資に役立つ情報が詰まっていました。

投資本で勉強するのもいいですが、投資本以外からも投資のアイデアは得られるわけで…

得てして、そういったアイデアの方が、誰も気づいていない優良株を見つけるのに役立つのかもしれません。

また一つ賢くなった気がします。今後の投資に活かしていきます。

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