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【書評】ウォール街のランダム・ウォーカーから学ぶ投資で大切なこと10選

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ウォール街のランダム・ウォーカー

ランダム・ウォークとは、「物事の過去の動きからは、将来の動きや方向性を予測することは不可能である」ということを意味する言葉。

引用ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉

インデックス投資家の必読である、「ウォール街のランダム・ウォーカー」を久しぶりに読み直しました。

すでに2〜3回読でいたのでもう十分と思っていたのですが、不思議なもので読み返すたびに新たな発見があります。

自分用の覚え書きとして「ウォール街のランダム・ウォーカー」の中から、投資する上で絶対に忘れてはならない大切なこと10個をピックアップしてまとめてみました。

きっとこれから投資信託に投資しようと思っている人にとっても、役に立つ内容だと思います。

ぜひ参考にしてみてください。

株価チャートの上げ下げに理由はない

集団化や連続といった現象が、コイン投げによって得られるようなランダムなデータにおいても、頻繁に起こることを知っていても、それらの事象がランダムなものだと認めることは難しいものだ。

株式市場についても全く同じことが言える。

株価チャートをながめていると、何となく規則性があるように感じます。

ゴールデンクロス、デッドクロス、ヘッドアンドショルダーなどなど…。株価が一定の法則に従って形成されているようにみえます。

しかし、実際は株価がある法則に従って動くというようなことはありません。全部後付です。

人間の脳には、結果がわかってから後付でもっともらしい理由をつけるというクセがあります。自分自身に騙されないようにしましょう。

株価が上がるか下がるかなんて、誰にもわかりません

分散投資は30銘柄で十分

ポートフォリオに30銘柄を組み入れた時点で、非システマティック・リスクがかなり取り除かれ、そこからさらに分散投資を行っても、リスクはあまり低下しなくなる。

「分散投資って、何銘柄保有すればいいの?」というような疑問があるかと思います。

片手で数えられる5銘柄が上限という人もいます。10銘柄でも少ないという人もいます。人それぞれなので、どれが正しいということはありません。

ただ、30銘柄保有すれば、リスクはほとんど取り除かれます。30銘柄でも100銘柄でも、リスクヘッジ効果はほぼ変わりません。

ですので、個別株式に投資しようと考えているなら、30銘柄に分散投資すれば非常に安全だといえます。

※投資信託は、1つの投資信託の中にいくつもの個別株式が含まれています。ですので、1使うだけで分散投資しているのと同じ効果があります。

参考投資信託の基礎知識まとめ

バブルに参加すべきでない

経済史家のチャールズ・キンドルバーガーが述べたように、親しい友人が自分より金持ちになることほど、人の心をかき乱し判断を狂わせるものはないのだ。(略)

株価が上がり始めると、より多くの投資家がゲームに参加し、そのことによってより多くの投資家が潤い、ますます多くの投資家を引きつけることになる。(略)ポンジ・スキームのインターネット版にほかならない。そしてやがて「より馬鹿な」投資家の供給が底をつくのだ。(略)

こうした集団行動の結果は、個人投資家に対して壊滅的な打撃をもたらすことになる。

ある会社の株価が急激に上がると、自分も遅れまいとして買ってしまっていませんか?

人が買っているから自分も買うという投資判断はおすすめできません。自分が最後のカモになる可能性があります。

「自分より馬鹿が買うから、そのタイミングで売り抜ければ…」なんて思っているかもしれませんが、自分が最後の馬鹿である可能性もおおいにあります。

決して、バブルの株に手を出さないようにしましょう。

手を出すべきは、誰にも目をつけられていないけど有望な株です。(それがわかれば苦労しないという話ではありますが…)

明らかに損したときは、潔く売るべき

カーネマンととヴェルスキーは、平均的投資家にとって損失は同額の利益に比べると2.5倍も望ましくないものだという結論に達した。つまり、1ドルの損失は1ドルの利益の2.5倍も大きな痛みと受け止められるのだ。(略)

この強い「損失回避願望」が、いろいろな高くつく投資の失敗につながるのである。(略)

エンロンやワールドコムのように、明らかに銘柄選択を間違ったとわかっているのに、売らない限り損失は出ないという錯覚から持ち続けることは全くナンセンスだ。

「帳簿上の損失」も損失であることに変わりはない。売らないという意思決定は、現在の株価で買うということと同じなのだ。

「株は保有する限り損しない。売った時に損失が確定してしまう。」なんてことを聞いたことがあるかもしれません。

でも、明らかに株価が再上昇する可能性がない株をいつまでも持っていても意味がありません。儲かりません。

そういう場合は、取得単価を気にしたり、自己正当化したりせず、潔く売りましょう。

「今の値段で買うか?」という質問に、素直にYESといえないなら売りどきかもしれません。

※損失は素早く確定させて、頻繁に売買せよということではなりません。明らかに判断ミスで買ってしまった株を、いつまでも持ち続ける必要はないということです。

インデックス・ファンドに投資しても、4割近く損する場合がある

アメリカの株式市場の長期平均リターンは9%ほどになっているが、例えば陰の極ではマイナス40%の年もあってのことなのだ。

投資信託は世界中の株をひとまとめにしたセット商品です。ですので、1つ買うだけで分散効果があります。

とはいえ、投資信託=安全ということではありません。あくまで、個別株式投資と比較した場合、安全度は高めだということです。

たとえTOPIXなどの株式指数をベンチマークするインデックス投資信託を買ったとしても、1年で3〜4割近く損することもあります。その点は勘違いしないようにしましょう。

全資産を投資してはいけません。必ず無リスク資産(国債や現金など)を持っておきましょう

ベータの有効性は低い

多くの実証研究の結果、ベータの有効性はかなり低い。したがって高ベータ・ファンドは必ずしも低ベータ・ファンドに比べて高いリターンをもたらす保障はない。

ベータとは、株式指数に対する個別銘柄株価の感応度のことです。たとえば、TOPIXが1%動くときに、個別銘柄株価が何%動くかを示すものです。

たとえば、ベータが2の株は、TOPIXが1%動く時に倍の2%動くことを意味します。ベータが0.5の場合は、TOPIXが1%動いた時に0.5%
動くといった具合いです。

参考第214回 「ベータ値」ってなに?~ベータ値を銘柄選びに役立てよう | 楽天証券

しかし、ランダム・ウォーカーの著者であるバートン・マルキール氏によると、ベータの有効性は低いそうです。

ベータを駆使してリスクを減らしたり、逆にレバレッジをかけたりといったテクニックを使っても、あまり効果は期待できないようです。

適切な株価は誰にもわからない

株価が将来の期待キャッシュ・フローを適切に割り引いた現在価値によって決まるとしよう。それでも将来の期待キャッシュ・フロー自体が単なる推計値であって、本当に正しい値は決してわからないのだ。

どの銘柄にせよ、程度の差はあっても将来の売上や利益の予想には常に誤りがつきものだ。その上、割引率を決めるリスク・プレミアムの値も時間軸の上で決して安定的ではない。

したがって予想株価、あるいは期待株価は、ほとんどいつも間違っていると言うべきだろう。したがって効率的市場仮説が本当に言おうとしているのは、株価が割高か、あるいは割安かは、その時点でははっきりしないということなのだ。

「ウォール街のランダム・ウォーカー」は、「株価はいつも正しい」とは言っていません。

よく間違われることですが、株価は長期的に見て適正な水準になるということで、常に正しいとは言ってません。

むしろ、株価は常に間違っていて、その時点では割高なのか割安なのかはっきりとはわからない。ということです。

「絶対にお買い得」なんてことは、やっぱりあとになってからしか判断できないわけです。

投資はひとそれぞれ。唯一正しい投資法などない

証券市場というのは、いろいろな客の多様な嗜好を満たしてくれる巨大な食堂みたいなものだ。

すべての客に対して最高のメニューがたった1つ存在するわけではない。

投資も同様で、すべての投資家にとってベストな運用資産なんてものは存在しないのだ。

最近、インデックス投資ブログや米国株ブログがたくさん増えてきたように思います。

初心者はインデックス投資信託を。稼ぎたいなら米国株を。なんてイメージがあるかもしれませんが、投資はひとそれぞれです。

人によってとれるリスクは違いますし、目標金額も投資期間も違います。ですので、「◯◯さんが言ってるから、あの投資法は正しい」なんてことはありません。

有名投資家であっても、有名ブロガーであっても、です。ウォーレン・バフェットですら、間違いはあります。

参考バフェット氏:投資に失敗はつきもの-IBMの誤算を振り返る – Bloomberg

自分に合った投資スタイルを確立しましょう。

投資が成功するか否かはアセットアロケーションで90%決まる

ライフワークとして様々な資産のリターンの長期的な計測を行っているロジャー・イボットソンによれば、投資の総リターンの90%は、投資家の選択したアセット・ミックスによって決まるという。

投資の成功度合いのわずか10%弱が、選択された資産の中身、例えば具体的にどの銘柄や投資信託を選ぶかに依存するにすぎない。

長期投資においては、何を買うか?よりも、「何を何%の割合で買うか?」の方が重要です。

銘柄選びももちろん大切ですが、どんなアセットミックス(資産配分、アセットアロケーション)にするかに時間をかけましょう。

ウォール街のランダム・ウォーカーには年齢別に応じた資産配分例が掲載されていますので、参考になると思います。

参考債券と株式のバランスは?投資本 著者のおすすめポートフォリオ5選

アクティブファンドよりインデックス・ファンドを買うべき

平均的な投資信託のパフォーマンスは、幅広く分散投資されたインデックス・ファンドにバイ・アンド・ホールド戦略で投資した場合のパフォーマンスを上回ることができなかったのである。

言い換えれば、長い期間で見ると、プロが運用する投資信託も、ランダムに銘柄を選んで作ったポートフォリアも、パフォーマンスは変わらなかったということだ。

特定の短期間をとれば、素晴らしいパフォーマンスを達成するファンドもあった。

しかし、一般的に優位なパフォーマンスは長続きしなかったし、どのファンドが将来どのようなパフォーマンスを上げるのか、全く予想がつかないのだ。

「運用の中心は低コストで税法上も有利な、幅広い銘柄に分散投資した、時価総額加重の市場インデックス・ファンドで運用すべきだ」

インデックス・ファンドの運用手数料は、平均して運用金額の0.1%以下である。これに対して積極運用される投資信託の年間運用手数料は、平均して1%近くになっている。

加えてインデックス・ファンドはインデックスをコピーする上で必要最小限しか組み入れ銘柄の売買を行わないのに対し、積極運用ファンドは売買回転率が高く、典型的なファンドは1年間ですっかり中身が入れ替わってしまう。

控えめに見積もっても、こうした高い回転率に伴う売買コストは、運用成績上かなりの負担になるはずだ。

市場が効率的であろうとなかろうと、積極運用ファンドの粗リターンの平均が市場平均を上回ることはありえない。したがって、運用手数料と売買コストがかさむ分だけ、確実に市場平均を下回ることになる。

アクティブファンドは、ファンドマネージャーに支払う手数料が高い。また、売買を頻繁に繰り返すので、そのコストも上乗せされる

結果として、たとえインデックスファンドよりも良いパフォーマンスをだしていたとしても、手数料を差し引くと、インデックスファンドのパフォーマンスには敵わない

そして、そもそもアクティブファンドのパフォーマンスは、インデックスファンドを上回ることはまれ

参考投資信託の運用方針の違い(インデックスファンド・アクティブファンドの違い)
参考9割が相場に勝てず、米アクティブ運用ファンド S&P調べ  :日本経済新聞

余計なコストを払って、アクティブファンドを買う必要はないということですね。

負けない投資をするには、インデックスファンドがおすすめです。

まとめ

  1. 株価チャートの上げ下げに理由はない
  2. 分散投資は30銘柄で十分
  3. バブルに参加すべきでない
  4. 明らかに損したときは、潔く売るべき
  5. インデックス・ファンドに投資しても、4割近く損する場合がある
  6. ベータの有効性は低い
  7. 適切な株価は誰にもわからない
  8. 投資はひとそれぞれ。唯一正しい投資法などない
  9. 投資が成功するか否かはアセットアロケーションで90%決まる
  10. アクティブファンドよりインデックス・ファンドを買うべき

ウォール街のランダム・ウォーカー以外にも、おすすめの投資の本をまとめていますので、よかったら参考にしてみてください。

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