投資家にはありがたいことに、上昇相場続いていますね。
株100%のポートフォリオを組んでいる方は、かなり大きな利益が出ているのではないでしょうか?
しかし、油断は禁物。
いつリーマンショック級の下げ相場が来るかわかりません。ポートフォリオに債券を加える等の対策をしておくことは無駄ではないでしょう。
ただ、債券なんですが…、例えば海外の債券(バンガードが販売しているBNDや、ブラックロック社が販売しているAGGなど)を買うと為替リスクを背負ってしまいます。
市場暴落のリスクヘッジとして債券を買うのに、為替リスクという新たなリスクを手に入れてしまうわけです。
日本の債券を買えば為替リスクはありませんが、値上がり益の期待できない債券を買うなら現金を保有していればいいのでは?と思ってしまいます。
さてどうしたものか?
私は債券を保有するかどうかについて、以下の3つの考え方があるのではないかな?と思っています。
そもそも為替リスクとは?
そもそも「為替リスクってなに?」ということですが、これは簡単です。
経済ニュースで「1ドル○○円」と放送されているのを見たことがありませんか?あれが為替です。
円と外国の通貨との価値のバランスを表しています。たとえば、1ドル100円を基準として、1ドル200円になると「円安」になったといえます。円の価値が下がったので、同じ1ドルでもたくさんの円が買えるわけです。
1ドル100円を基準として、1ドル50円になれば「円高」です。円の価値が上がったので、1ドルで50円しか買えなくなったわけですね。
この為替は、株価と同じように刻一刻と変動しています。これが為替リスクです。
今日1ドル100円として、1年後1ドル何円になっているのか、誰にもわからないわけです。
参考:為替変動リスク│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券
1.1ドル◯◯円を基準に海外債券と日本債券を買い分ける
もし、債券を保有するのであれば、海外の債券(ドルで保有)と日本債券(円で保有)を買い分けるといいかもしれません。
たとえば、1ドル100円を基準に、円高になれば海外の債券を買う。円安になれば日本の債券を買う。
これなら、どちらか一方の債券だけ持っておくより安全です。為替リスクもある程度おさえることができます。
これが1つ目の考え方です。
2.債券の代わりに現金を持っておく
そもそも債券を買うのは、「株価が下がったとき、安全な投資先として債券が買われる」という特徴を利用して、リスクヘッジするためです。
たとえば、日経平均に連動するA投資信託に1000万円投資していて、日経平均が30%下がれば、運用資産額は700万円になってしまいます。
A投資信託500万円、B債券500万円で投資していた場合、日経平均が30%下がっても、運用資産額は850万円残っています。(B債券の価格が変わらなかった場合)
なので、債券を保有していると安全ですよね。ということなんですが…
債券の価格も、株価と同様に下る可能性があるんですよね。株より下げ幅が少ないというだけで。
ですので、債券を買うより、そのお金を現金で持っておく方が安全と考えることも出来ます。
これが2つ目の考え方。
3.リターンが見込める債券を買う
- 海外の債券を買うと、為替リスクを背負う
- 債券も株価と同様、価格が下る可能性がある。100%安全なわけではない
- 安全をもとめるなら、資産運用額を減らし、現金を増やしておけばいい
ここまでの結論をみると、
「あれ…?債券は安全って聞いたけど、わざわざ保有する必要ないのでは?」と感じてしまいますね。
実際そのとおりです。わざわざ債券を買わなくても、現金保有額を増やすことでリスクコントロールできます。
例えば、1000万円投資に回せるお金があったとして、投資信託に700万円、債券に300万円投資するのと、投資信託に700万円投資して、300万円は現金で持っておくのとでは、そんなにリスクは変わらないでしょう。
なので、投資金額と現金保有額でリスクコントロールするのであれば、わざわざ債券を買う必要はないと思います。
ただ…、もし、値上がり益の期待できる債券があればどうでしょう?
株ほどではないですが、ある程度納得できるリターンが見込める債券であれば、現金で持っておくより、その債券を買うほうがいいと思いませんか?
もちろん、投資しているわけですから、株価と同じように債券の価格が下る可能性はあります。しかし、債券は株よりリスクが低いものが多いです。
ちょっとでも稼げるのであれば、現金で持っておくより債券を保有しておくのもいいのではないでしょうか?(そういう債券があればの話ではありますが…)
これが3つ目の考え方です。
まとめ
- 1ドル○○円を基準に、海外と日本の債券を買い分ける
- 債券の代わりに現金を持っておく
- 値上がり益の期待できる債券を保有する
以上が、私の債券に対する3つの考え方です。
もし、債券を買わないという選択肢を選ぶ場合は、投資金額を減らして、現金を増やしておきます。
もし、債券を買うという選択肢を選ぶ場合は、日本と海外の債券を買い分けます。もしくは、値上がり益の期待できる債券を保有します。
今、全世界的に上昇相場なので、余裕資金で投資信託を買い増していきたいところですが、深呼吸して冷静になりましょう。
本記事が、万が一のときの参考になれば幸いです。