「テンプルトン卿の流儀」という本に、最近起こった危機と、その時のダウ工業平均の下落率が記載されていました。
株式市場暴落時(バブル崩壊時)に株式を買うタイミングの参考になるのではないかな?と思いましたので、シェアしたいと思います。
最近の危機一覧表
こちらが、「テンプルトン卿の流儀」に載っていた最近の危機一覧表です。
左端に起こった危機と危機が起こった日が記載されています。その右側にはダウ工業平均の下落幅、そして、事件前にダウ工業株平均に投資した10万ドルが5年後いくらになっているか?が記載されています。
(※「テンプルトン卿の流儀」には『事件前日にダウ工業株平均に投資した10万ドルが5年後にどれほどの額になっているのかを示した。』と記載されているのに、なぜ一覧表では10万ドル以上投資しているのかよく分かりませんが…、今回私が知りたいことは危機が起こったときの下落幅ですので、無視します)
さて、それぞれの危機の下落幅を平均すると約-10.8%になります。
ですので、何かしらの危機で市場が暴落したときは、「危機直前から市場平均が10%ほど下がったら株を買い始める」のがいいタイミングなのかな?と思います。その後、市場平均は元の水準以上に上がってますので。
(※もちろん、10%下落する前に回復してしまう危機もありますが、大体のタイミングですのであしからず)
ただ…
リーマンショック時の暴落は?
リーマンショックの暴落を含めると、また数値が変わってきます。
リーマンショックは、2008年9月15日にアメリカの投資銀行「リーマン・ブラザーズ・ホールディングス」が破錠したのをきっかけに始まりました。
以下、リーマンショック時のダウ工業株平均のチャート図です。
↑リーマンショックが起こった日(2008/9/15)のダウ工業株平均
(※画像クリックで拡大可能)
↑リーマンショック後の最安値
↑リーマンショック直前の水準に戻った時期(2010/11/5)
リーマンショックが起こる直前から最安値まででダウ工業株平均は約42%下がっています(約11400→約6600)。また、リーマンショック直前の水準に戻るまでに約2年2ヶ月かかっています。(※始値で計算)
リーマンショックの下落も先ほどの計算に入れると、危機が起こったときの下落幅平均は約13%になります。
まぁ・・・、個人的には細かいこと言わずに、「危機が起こって市場平均が10%前後下がったら株を買い始める」という感覚を持っておけばいいんじゃないかなと思います。
株式市場が暴落したとき、割安株を買うために覚えておくべき3つこと
- 株式市場暴落の心理的プレッシャーをはねのけ、その状況で買えた場合の結果に集中する
- 市場が暴落した時に買うべき株を、あらかじめピックアップしておく
- たとえ自分が損していたとしても、買う
市場がいつ暴落するかは、誰にも分かりません。
ただわかっていることは、かならず暴落するということだけです。歴史的には、おおよそ10年サイクルでバブルが崩壊すると言われています。
そのとき、流れに逆らって割安株を買うためには、上記3つのことを覚えておく必要があると思います。
わかっていても難しいと思いますが、覚えておいて損はありませんよね、きっと。
追記:
「ダンドー 低リスク・高リターンのインド式テクニック」という本にも、大事件後のダウ平均下落率が載っていましたので、追記で紹介させて頂きます。
参考:ダンドー ──低リスク・高リターンのインド式テクニック
各事件のダウ平均下落率を平均すると、-16.7%。中央値は-15.5%になるようです。
また、本書には以下のような記載もあります。
事件の数日から数週間後にダウが2桁台の下落を示している。
しかし、数カ月後のダウは完全にではないが下落分をほとんど回復しているのだ。
ということで、何かしらの危機(事件)で市場が暴落したときは、「危機直前から市場平均が10〜15%ほど下がったら、株を買い始める」と覚えておけばいいのではないでしょうか。
結局、市場は回復するようですので。